ハイサイ!沖縄のニッシーです!
「海好き、釣り好き」が高じて、沖縄県に移住。
「西表島」でカヤックガイドの武者修行に励み、現在は「沖縄本島うるま市」の島々を拠点に、「海のツアーのガイド(カヤック、SUP、釣り)」をしています。

仕事も休日も、毎日が冒険の日々!!
台風の日以外は、「海あしび(海で遊ぶこと)」に出かけています(笑)
今日は、そんな僕の冒険の記録を紹介します。
今回の釣りのターゲットは、「GT(ロウニンアジ)」です。
「GT」は「ショア(岸)」からでも釣れる魚

「ロウニンアジ」は、通称「GT(ジャイアント・トレバリー)」といいます。
沖縄の方言では「ガーラ」、「カマジーガーラ」。
釣り人を海中に引きずり込むような規格外のファイトが魅力で、ルアーマン憧れのターゲットです。
最大サイズになると、「全長180センチ、重量70キロオーバー」。
どう猛な肉食魚で、時には海鳥にも襲いかかります。
「オフショア(沖釣り)」でボートから狙うイメージが強いGTですが、実はタイミングさえ合えば「ショア(岸)」からも釣ることが出来ちゃいます。
日中は沖合やリーフエッジ(サンゴの際)を回遊している場合が多いのですが、「朝・夕方のマズメ時」や「夜間」、「満潮時でエサとなるベイト(子魚)が集まっているとき」に、GTは岸近くまで回遊してきます。
実際に、GTがビーチの浅場に集まった小魚を、水面から半分体を出しながら夢中で追っかけているのを何度も見たことがあります。
メーターオーバークラスの大型になると、捕食時の水しぶきと音は「人が飛び込んだり、バタフライしている」のと変わらない衝撃です(笑)
ショアで掛けたGTは、フッキングしてからの「ファイトの衝撃」がオフショア以上。
周囲の地形にも影響されるため、運にも左右される釣りです。

僕のこれまでの「ショアGT(メーターオーバークラス)」との対戦成績は、3勝15敗!
自己ベストサイズは、西表島のビーチから釣り上げた「124センチ、30キロ」。
時にはロッドを折られたりして、コテンパンにやられています(泣)
今日は、久々に「ショアからGTをキャッチ」することが出来たお話です。
PENN「SLAMMER III」と馴染みのポイントへ
実はこの日は、「新調したGT用リール」を使った試し打ちのつもりでした。
GTを狙う際は、「頑丈な専用のタックル」を使わないと一瞬で破壊されてしまいます!
対怪物用に今回購入したのは、PENNの「SLAMMER III-8500」。
10万円近くもする「ソル〇ィガ」や「ス〇ラ」なんて恐れ多くて使えない(欲しくても買えない)自分ですが、PENNリールは安価で頑丈なので心置きなくガンガン使えます。

ところが、このモデルはリールフットが大きすぎて、僕が愛用しているGTロッドのリールシートに入りません。
そのため、ヤスリでフット部分を削って改造しています。
遠慮なく自分好みのカスタムが出来るのも、「PENNリール」の好きなところですね(笑)
そして準備万端で向かったのは、沖縄本島某所。
上げ潮の時間帯をみて、早朝6時に通い慣れたポイントに到着しました。
ここは湾の入口になっていて、潮の満ち引きのタイミングで「外洋と湾内を行き来する魚」が行き来する地形になっています。

ここは以前にナイトゲームで、70センチ級の「カースビー(ゴマフエダイ)」を仕留めた実績十分のポイントです。
これまで何度かGTにヤられている場所でもあり、新リールのお試し釣行とはいえ、心の奥底では「ドでかいホームラン」を期待していました。
1投目からいきなり「GT」がやって来た!
まだ薄暗い中で、あくびをしながら、タックルを準備していると、目の前でいきなり海面が爆発しました!
何事かと見ると、岸から届く距離で「グルクマ(サバの仲間)」が大群で逃げ回っている状況。

「グルクマ」とは、こんな魚。サバの仲間で、沖縄では「堤防からのサビキ釣り」などで釣ることが出来ます。
逃げるグルクマのすぐ後ろには、背ビレを出して迫る巨大な影が…!
その「巨影」がグルクマの群れに突っ込むのと同時に、まるで「人がプールに飛び込んだ時のような捕食音」が、早朝の静かな海につんざきました。
眠気が一気に吹っ飛び、大慌てで「GT用ルアー(サーフェイスブル)」をセットして、全力キャスト!

キャストした「サーフェイスブル200」のサイズは、ちょうどベイトのグルクマに近い20センチ。
使い込んだ古いルアーですが、ボディに刻まれたGTの歯形がこれまでの実績と信頼の証です。
パニックで逃げ惑うグルクマの群れの中を通していると、背後から「メーターオーバークラスのGT」が2匹、ルアーに向かって突っ込んで来ます!
・・・
3アクションさせて、ポーズ(3回大きく動かしてアピールをし、ルアーを止めて喰わせのスキを作る動き)。
・・・
背後に影が突っ込んできた瞬間、水面が爆発!
引ったくられるサーフェイスブル!
体が吹っ飛ばされるような衝撃が竿先から全身へ駆け抜け、締め込んだドラグからすごい勢いでラインが引きずり出されていきます!
GTとの勝負は、まるで大綱引き。
「右に左に」とGTが走れば、ラインが擦れないように僕も陸上を駆け回り、腰を落として死ぬ気で止めにかかります!
GTに走られている間はリールを巻く余裕などなく、ただ耐えることしか出来ません。
無理矢理にに止めようとしてGTを怒らせてしまったら、魚が余計に暴れて「ラインブレイクするリスク」が高まってしまいます。
「オフショア」でボートからGTと勝負する場合、船長とのコンビネーションで障害物を避けたり、ボートの推進力を利用してファイト出来るので、やや「釣り人優位」と言えるでしょう。
それに対して「ショアGT」は、孤独との闘い。
岸からの釣りだと「魚からのファイトの衝撃」がダイレクトに襲い掛かってきますし、地形を読みながら一人で「ヒットからランディングまで」をこなさなくてはいけません。
まさに、「人間」VS「魚」の命がけの真剣勝負。
このポイントではこれまで、「沖に走られて、左側の根にまかれてラインブレイク」で負けていたので、「左に走ろうとするGTを死ぬ気で止めること」だけに集中していました。
今回は、運よく「右側の砂地の地形」にGTが走り出したので、ドラグを絞めながら消耗戦に持ち込ませます。
ようやくリールを少し巻けたと思ったら、またすぐに何十メートルもラインを引きずり出される一進一退の攻防!
キツ過ぎて竿を手放したくなりながら、無我夢中で叫び、意地でリールを巻き続けました。
30分間の死闘の末、決着…
長時間の死闘の末、ついに決着がつきました!
GTを寄せてくると、スタミナを消耗した魚体がゆっくりと足元に浮かんできました。
最後は波打ち際まで降りてエラに両手を突っ込み、引きずって岸に持ち上げることに。
GTを持ち上げる握力は、ギリギリ。
疲労困憊ながらも、今日のGTとの勝負は「僕の勝ち」です!

今回釣り上げたGTのサイズは、「120センチ、25キロオーバー」!!
GTとしては「中サイズ」ですが、オカッパリから釣り上げたことに大きな価値があると思っています。
新タックルの試運転のはずが、まさかの1投目からGTをキャッチするという「場外ホームラン」な釣果でした。
もしかして、試運転のつもりだったからこそ、心にゆとりが生まれて「ギラギラした殺気」を隠してくれたのかも知れません。
僕のこれまでの経験上では、「絶対に釣ってやる!」と意気込んでいる時にはGTは来ないんです。
眠くてウトウトしていたり、晩ごはんの献立を考えて油断しているときなんかに限ってチャンスが来る気がします。
GTには、「釣り人の殺気を感知出来る能力」があるんだと、僕は本気で信じています。

さて、万が一のために大型のクーラーボックスを持って来ていたんですが、「想定外のサイズ」だったので頭しか入りません(笑)。
釣り上げてすぐに血抜きをし、鮮度が落ちないうちにGTを氷漬けにして、超特急で持ち帰ります。
オフショアの釣行では、リリースされることが多いGT。
あまり知られていないのですが、実は美味しい魚なんです。
次回の記事では、持ち帰ったGTを解体し、「GTから沖縄そばの出汁を作る」冒険を紹介します!
【今回のタックル】
・ロッド:SHIMANO 「オシアプラッガーBG FLEX ENERGY S710XH」
・リール:PENN「SLAMMER III-8500」
・メインライン:PE6号
・リーダー:ナイロン24号
・ルアー:サーフェイスブル200
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