ハイサイ!沖縄のニッシーです!
前回の記事では、「特大のオニダルマオコゼ」を釣った話を紹介しました。

「オニダルマオコゼ」が「魚類最強クラスの猛毒を持つ魚」だという話は、前回記事で紹介させて頂きました。
一方でこの魚は「超高級食材」であり、沖縄県でも「トップクラスに美味しい魚」なのです。
漁獲量が少なく市場には余り出回らないですが、卸値は「キロあたり5,000円以上」の超高級食材です。
今回釣った「オニダルマオコゼ」のサイズだと、1万円以上の買値がつきます。
「オニダルマオコゼ」を友人のお店に持ち込み
せっかく手に入れた、「高級食材」。
僕は釣りたての「オニダルマオコゼ」を持って、魚料理のプロフェッショナルのお店に急ぎました!
以前に「GTダシの沖縄そば作り」でお世話になった、「釣り友達・まえとーさん」のお店です。

まえとーさんのお店「帆掛きそば」は、日替わりで多様な鮮魚を出汁に使う「沖縄そば屋」さんです。
まえとーさん自身もフカセ釣りの名手で、自身で釣った魚や釣り仲間が持ち込んだ魚を素材に使っています。
今回も何が釣れたのかは秘密にして、サプライズ!
お昼のピークが過ぎて一段落したお店に、「オニダルマオコゼ」を持ち込みました。
まえとーさんのリアクションを想像して、思わずニヤけてしまいながらクーラーボックスをご開帳です。

「あぎじゃびよー!(訳:マジかー!)」と、期待通りの嬉しいリアクションを頂きました(笑)
今回僕が釣ってきた「オニダルマオコゼ」は、まえとーさんが今まで見た個体で、最大サイズだそうです。
「全魚類最強の毒液発射」の瞬間を観察してみた
解体を始める前に、「オニダルマオコゼの毒液発射」を観察してみました。

「オニダルマオコゼの毒針」は、普段は「ブヨブヨした袋状の皮」に覆われています。
「上から圧がかかって針が露出すると、毒液が勢いよく発射される構造」です。

実際、オニダルマオコゼの「恐怖の毒液」はどのぐらいの勢いで発射されるのか??
顔を保護するために、シュノーケリングマスクをつけて「実験した動画」がこちらです。
プライヤーで「毒針」を露出させ、上から力を入れると「透明な毒液」が噴出!
これが「ハブの30倍」といわれる、全魚類中最強クラスの毒です!!
勢いが想像以上に凄まじく、発射された毒液はなんと「厨房の天井」まで届きました!
もし「オニダルマオコゼ」を踏んづけてしまって、これだけの勢いで毒が体内に注入されたら・・・。
「想像を絶する恐怖」です。

図鑑によると、「オニダルマオコゼ」は「腹鰭・尾鰭」にも毒棘があるらしいのですが、今回は見つけきれませんでした。

そういえば「オニダルマオコゼ」ですが、僕が以前に北海道で釣り上げた「トゲカジカ」に見た目が似ています。
あまりの美味しさに、箸で鍋を突きすぎて壊してしまう例えで「鍋壊し(なべこわし)」の異名を持つ「トゲカジカ」。

以前に北海道の堤防からルアーで釣り上げた、「60センチ、4キロ超え」のトゲカジカ!
あの時食べた「肝たっぷりのカジカ鍋」、美味しかったな〜
いよいよ「オニダルマオコゼ」解体!
さて充分に観察を楽しめたので、いよいよ「オニダルマオコゼ」の解体をスタート!

「オニダルマオコゼ」は、まえとーさんも初めて捌く魚だそうなので、手順を調べながら進めていきます。
相変わらず動かないので生きているかの判断に迷いますが、まだ口だけがパクパク動いています。
まず、「オニダルマオコゼ」を〆てから「毒針の除去」を行います。
「オニダルマオコゼの毒」は「熱湯で無力化出来る」ようなので、沸騰した熱湯を「背中の毒針」にかけました。
そして、「無力化した毒針」をペンチで1本ずつ丁寧に抜いて除去していきます。

解体を進めていき、「美味しく食べることが出来るモツ」を取り出します。
「胃袋」は「湯引きしておつまみ」に、「肝」は「沖縄そばのダシ」に使用します。


お腹は弾力性があり、まるで「ゴムボール」のよう。
「下の動画」のようにエラから手を突っ込むと、伸縮性抜群です。

下処理の最後に、オコゼの体表に生えた「海草」や「汚れ」を取り除きます。
面倒ですが、この処理を怠ると身に「苦味」や「臭さ」が残って味が大幅に落ちてしまいます。

まえとーさんのアイデアで、「沸騰した熱湯」に魚体をサッと通し、「氷水で冷やす」ことで汚れを浮かせました。
タワシで擦ると、面白いくらいに「体表の汚れ」が落ちていきます。ちなみに「オニダルマオコゼ」の魚体には、「鱗」がありません。

「体表の汚れ」が取れて、魚体が綺麗になりました。まるで、お風呂上がりですね(笑)
これでようやく下処理が完了。「オニダルマオコゼ」の解体には、「手間と時間」がかかります。
切り身は綺麗な白身
いよいよゴールが近づいて来ました!
初めて捌く魚にも関わらず、まえとーさんは「魚体の形」から想像して解体を進めていきます。
腹を包丁で開き、「オニダルマオコゼ」の皮を剥ぎます。

そして、「頭」を落す時に衝撃の出来事が!

恐らく「筋肉の痙攣」でしょうが、とてつもない「生命力の強さ」を見せつけられました。
解体を進めていくと、「切り身」は一見すると、「フグ」のよう。

「夏のオコゼに冬のフグ」という言葉があります。
これは「オニオコゼ」を指すようなのですが、フグと同等なぐらい、オコゼ類は「味わい深い白身魚」なのです。
刺身用に薄造りにしていくと、まえとーさんの悲鳴!
なんと「切り身」になっても、身がピクピク動いて包丁に逆らっています!!
ここまで来ると、もう「地球外生命体」ですね…
超高級食材「オニダルマオコゼ」を実食!

「お刺身」を大皿に盛り付けて、ついに完成!
これだけの量を料理屋さんで食べると、何万円という金額になるはずです。
早速、「オニダルマオコゼ」を頂きます!

硬すぎない「絶妙な弾力の歯応え」に「淡白でクセのない白身」。噛むほどに広がる「味わい深さ」。
ダントツで優勝!!
これまで僕が「沖縄で食べた刺身」の中で、ブッチギリでナンバーワンの味です!
例えるなら、「フグ」と「クエ」の良さをいいとこ取りしたような味でしょうか。
個人的には、「沖縄三大高級魚(アカジン=スジアラ、アカマチ=ハマダイ、マクブ=シロクラベラ)」よりも格上ですね。

おつまみ用の「胃袋」が、これまた絶品!
オニダルマオコゼの「巨大な胃袋」をさっと湯掻いて氷水で冷やし、まえとーさん特製の「ハチミツニンニク醤油」で漬けた一品です。
噛めば噛むほど味わい深い、コリコリとした「ホルモン」のような歯応え。
僕は魚の部位で、「胃袋」が1番好きです(笑)。
世界初⁉「オニダルマオコゼ」ダシの沖縄そば
まえとーさんのお店といえば、やっぱり「沖縄そば」!
「オニダルマオコゼ」の「アラ・キモ」でダシを取った、「特製沖縄そば」を作って頂きました。

普段使っている魚と比べて、出てくる「油の量」が遥かに少なかったそうです。身がとにかく「淡白」な証拠なんだとか。
おそらく、「オニダルマオコゼ沖縄そば」は世界初の試み。
今後こんなに贅沢に「オニダルマオコゼ」を使ったそばは、そうそう食べられないでしょう!

そして遂に、まえとーさん「渾身の一杯」が完成。
スープの透明感がすごいです。「クセ」が一切ない、「上品かつ奥行きの深い味」!
驚くほどあっさりしていて、女性人気が高そうな味でした。
あのイカツイ風貌の「オニダルマオコゼ」から出るダシと言っても、絶対に信じてもらえないでしょう(笑)
小鉢で出して頂いた「キモ」も、臭み一切なし。まさに「アン肝」と同じ味で絶品でしたよ!
この特別な「オニダルマオコゼの沖縄そば」は、「1日限りの数量限定」で「帆掛きそば」さんで提供されました。
事前に告知をしていたこともあって、「激レアなオニダルマオコゼダシ」を目的にオープンの時間から大盛況。
スープが無くなって、すぐ完売になったそうです。
皆さんに喜んで頂けたようで、釣って来た僕としてもハッピーになれました!
今回の主役は「オニダルマオコゼ」を捌いてくださった、まえとーさんでしたね(笑)
【店舗情報】
●所在地: 〒904-2211 沖縄県うるま市字宇堅7
●電話: 098-973-3633
●営業時間:11:00~17:00
●定休日:水曜日
関連アイテム